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第十話・台本

役名 番号 台詞 注釈
【飛行機のジェット音】
ブルーグ 001_001 「寝ててもいいんだぞ?」 心配そうに
メアリー 002_001 「いっぱい寝たもん、大丈夫。」 張り切った感じで
ブルーグ 003_002 「結構かかるんだぞ?まぁ、飛行機だから4時間弱くらいだろうが・・・。その間遊べるわけでもないし、暇なだけだぞ?」
メアリー 004_002 「そんなに・・・かかるの?」 急に不安げに
ブルーグ 005_003 「まぁ、アニメでも見てればいい。寝たくなったら、寝てもいいんだからな?」
メアリー 006_003 「うん。」
【間】
【回想】
アネッタ 007_001 「昨晩送られてきた犯行予告を伝えるわ。」
ブルーグ 008_004 「あぁ。」
アネッタ 009_002 「『メンバー、ミランダの覚醒により【メガラ】の封印場所を発見した。明日にでも母を迎えに行かせていただく。黒い天使、MJ』」
ブルーグ 010_005 「MJ・・・あの電波ジャックの男か・・・。」
アネッタ 011_003 「警護に当たっての詳細は、現地サルス軍にいるセイス司令官から、直接聞いて頂戴。」
ブルーグ 012_006 「了解。」
アネッタ 013_004 「・・・元気がないわね。どうしたの?」
ブルーグ 014_007 「ん?・・・少し寝不足でな、心配ない。」
アネッタ 015_005 「そう?それならいいんだけど・・・。」
ブルーグ 016_008 「話は終わりか?」
アネッタ 017_006 「え?・・・えぇ、よろしくお願いね。」
【間】
【回想終わり】
ブルーグ 018_009 メガラ・・・か。
ブルーグ 019_010 【血の一族】の女王、パラサイトの親玉・・・。一度死んでミイラになっているのに封印され、しかもその細胞がまだ生きているなんて・・・信じられないな。
ブルーグ 020_011 【血の一族】・・・一体どんな種族なんだろう・・・?
【ジェット音フェードアウト】
【場面変更・サルス城ドック】
イクス 021_001 「いよぉ、兄弟!久々だな!」
クワトロ 022_001 「5日前に会ったばかりじゃないですか。」 あくまで穏やかに
イクス 023_002 「ったって、全然会話出来なかったじゃねぇか。」
クワトロ 024_002 「まぁ、会議でしたしね。」
イクス 025_003 「ん?」
【ドゥースに気づく】
イクス 026_004 「お~!ドゥース、久しぶりじゃねぇか。元気か?」
ドゥース 027_001 「げっ!・・・近寄るんじゃねーよ!加齢臭が移るだろ!」
イクス 028_005 「はぁっ?加齢臭なんて出る歳じゃないだろぉが!」
ドゥース 029_002 「んじゃ、何だよこの匂い。獣クセーんだけど?」
イクス 030_006 「っくぅ・・・なんだお前、反抗期か?反抗期か?オイ!お前の小さい頃は『イクス兄ちゃん、イクス兄ちゃん』って俺のあとくっついて回ってたのによぉ。」
クワトロ 031_003 「その影響でしょうね。」 ニコニコと
イクス 032_007 「どう言う意味だよ!」
ソクラ 033_001 「トラブルメーカーぶりも影響されてなければいいが・・・。」
イクス 034_008 「ソクラまでなんだよ!トラブルメーカーって、俺がいつトラブルを・・・。」
ソクラ 035_002 「任務における建物の破壊6回。器物破損34回。寝坊113回。お前の始末書専用の本棚があるくらいだ。」
イクス 036_009 「(引き攣り笑い)」
ドゥース 037_003 「ダッセー。アタシだってまだ始末書20枚しか書いてねぇぞ?」 小馬鹿にしたように
クワトロ 038_004 「始末書1枚でも100枚でも書く時点で恥ずかしいことですよ。」 ニコニコ
ドゥース 039_004 「う、うるさいっ!なんだ!なんなんだ、その顔は!」
クワトロ 040_005 「僕の顔になにか付いてますか?」 ニコニコ
ドゥース 041_005 「その笑顔でアタシを見るんじゃないっ!虫唾が走る!!」
クワトロ 042_006 「酷いなぁ。まるで悪魔でも見るように・・・。」
ドゥース 043_006 「悪魔より悪魔らしいんだよ!お前は!」 泣きそうなのを強がってる感じで
ソクラ 044_003 「ところで、いつまでここで世間話をしているのだ。警備にあたるに際し、作戦会議をするはずでは?」
クワトロ 045_007 「あぁ・・・ブルーグさんがまだいらっしゃってないので・・・。そうですね、到着まで城内を案内しましょう。結構広いので、時間はつぶせるでしょう。」
ソクラ 046_004 「・・・建物の構造に興味はないな。」
クワトロ 047_008 「まぁ、そう言わず・・・。空気を読んで貰えると嬉しいかなー。」
ドゥース 048_007 「お前が言うなよぉ・・・。」
【間】
【場面変更】
メアリー 049_004 「(寝息)」
ブルーグ 050_012 「結局寝ちゃったか・・・。よっと・・・。」 メアリーをおんぶする
【飛行機を下りる】
ブルーグ 051_013 「城行きの専用機が迎えに来てるはず・・・だが・・・。ん?」
【ウーノに気づく】
ブルーグ 052_014 「ウーノ!!」
ウーノ 053_001 「・・・ん?」
ブルーグ 054_015 「迎えってお前だったのか。」
ウーノ 055_002 「・・・あぁ。」
ブルーグ 056_016 「・・・いつからここに?」
ウーノ 057_003 「・・・3時間前。」
ブルーグ 058_017 「そっか、待たせてすまないな。」
ウーノ 059_004 「任務だからな。」
ブルーグ 060_018 「そっか・・・。」 ソワソワしながら小声で
【間】
ブルーグ 061_019 「(愛想笑い)」
【間】
ブルーグ 062_020 な、なにか喋れよ・・・!
ウーノ 063_005 「・・・乗れ。」
ブルーグ 064_021 「あ、あぁ。」
【セスナに乗り込む】
【プロペラ音】
【BGM厳かな感じ】
ブルーグ 065_022 「あれがサルス城・・・?」
ウーノ 066_006 「そうだ。」
ブルーグ 067_023 「思ってたより大きいな・・・。あれ?」
ウーノ 068_007 「どうした。」
ブルーグ 069_024 「飛行場に行くんじゃないのか?」
ウーノ 070_008 「城の中に専用ドックがある。そのまま本部に行けるからな。手間は少ない方がいいだろう。」
ブルーグ 071_025 「城の中に軍の本部があるのか・・・。」
ウーノ 072_009 「サルス軍は城兵団の流れをくんでいるからな。」
ブルーグ 073_026 「なるほど・・・。」 納得して
ブルーグ 074_027 「しかし、それも不思議だったが・・・。現在のサルス軍はイクスの兄弟従兄弟だけだって言うじゃないか。」 思い出したように
ブルーグ 075_028 「どうしてまた、そんな一族で軍を?元々城兵の家系か何かなのか?」
ウーノ 076_010 「いや。父の夢らしい。自分の子供たちに国を守らせるのが。」
ブルーグ 077_029 「ほう・・・そんなに影響力のある人なのか。イクス達の父親って。」
ウーノ 078_011 「サルス国王だからな。」
ブルーグ 079_030 「そっか、王様か。それは影響力は大きい・・・って、国王?!」
ウーノ 080_012 「着いたぞ、サルス城だ。」 飄々と
【ドック内に着陸】
メアリー 081_005 「・・・ん?・・・うぅん・・・ここは・・・?」 目を覚ます
ブルーグ 082_031 「あ、起きたか。着いたぞ、サルスだ。」
メアリー 083_006 「サル・・ス・・・?」 ぼんやり
ブルーグ 084_032 「ねぼすけ・・・」 クスッと微笑んで
イクス 085_010 「おーい」 遠くから
ブルーグ 086_033 「ん?あ、イクス!クワトロも一緒か。」
イクス 087_011 「よぅ、兄弟。」
クワトロ 088_009 「イクスは兄弟が多いですね。」
イクス 089_012 「まぁなっ!」
ブルーグ 090_034 「俺はお前の兄弟になった記憶はないが・・・?」
イクス 091_013 「堅いこと言うなって!っよ、メアリー。ブルーグに変なことされてないか?」
メアリー 092_007 「えっ・・・?」 戸惑うように
イクス 093_014 「ん?」
メアリー 094_008 「え~っと・・・え~っと・・・さ、されてないよ!」 目を泳がせながら
イクス 095_015 「え?何この気まずそうな返事・・・お前、まさか!」 ブルーグを訝しく見て
ブルーグ 096_035 「アホか!俺がメアリーに変なことするわけないだろ。」
イクス 097_016 「だ、だよなぁ?ア・・・アハハハハ・・・。」
ブルーグ 098_036 「それより、早く作戦会議に向かおう。あ、その前に着替えと・・・メアリーはどうすればいいかな・・・。」
クワトロ 099_010 「皆さんにそれぞれゲストルームは用意してます。案内しますよ。」
ブルーグ 100_037 「そうか、助かる。」
【間】
【場面変更・ゲストルーム】
【着替え終わるブルーグ】
【開閉音】
クワトロ 101_011 「準備はいいですか?」
ブルーグ 102_038 「あぁ。」
クワトロ 103_012 「それじゃ、行きましょうか。皆さんお待ちです。」
【歩行音】
クワトロ 104_013 「これに乗って行きましょう。」
ブルーグ 105_039 「木製のエレベーターとは珍しい。」
クワトロ 106_014 「100年前から使われているそうですよ。城の雰囲気に合わせて、変に手を入れないようにしてるんです。」
ブルーグ 107_040 「なるほどな。」
【エレベータに乗り込む】
【間】
ブルーグ 108_041 「そういや・・・お前達ってサルス国王の子供、なんだよな?」
クワトロ 109_015 「えぇ。みんな腹違いですけどね。」
ブルーグ 110_042 「一夫多妻制ってやつか?」
クワトロ 111_016 「そういう部分もありますけど、父の場合つまみ食いが多いので。」 ニコニコと
ブルーグ 112_043 「複雑なんだな・・・(苦笑)。それで、何人兄弟なんだ?」
クワトロ 113_017 「僕の知ってる限りだと・・・21人兄弟です。」 ちょっと考えながら
ブルーグ 114_044 「へぇ・・・21人・・・。って21?!」
【エレベータのベル】
クワトロ 115_018 「着きました、ここが総司令室です。」
【開閉音】
クワトロ 116_019 「司令官、ブルーグさんをお連れしました。」
セイス 117_001 「ありがとう。これで全員・・・かな。それじゃ、話を始めよう。」
【モニターが降りてくる】
セイス 118_002 「城に取り付けられた防犯カメラの映像を、ここで全てチェックすることができる。」
セイス 119_003 「見てもらってわかるように、この間から一般兵が交代で24時間体制で警備に当たってるわけだが・・・。今のところ目立った動きはない。」
セイス 120_004 「仮に映っていない場所に侵入者が現れたとしても、防犯用アラームが15m感覚で設置されているから、すぐに反応は出来るようになっている。」
ドゥース 121_008 「サルスの防犯システムは世界随一だぜ?」
セイス 122_005 「まぁ、このアラームの方も今のところは反応なし。しかし、昨日の犯行予告もあって、念には念を入れて警備に当たりたい。」
セイス 123_006 「ウーノ、城の地図を。」
ウーノ 124_013 「・・・これだ。」
【テーブルに地図が広げられる】
イクス 125_017 「この青い丸はなんだ?」
セイス 126_007 「警備に当たってる一般兵の配置だ。」
セイス 127_008 「封印装置のある階にはあえて多くの兵は置いてない。」
ソクラ 128_005 「多く配備すれば、ここにありますと言ってるようなものだものな・・・。」
セイス 129_009 「そのとおり。」
セイス 130_010 「それもあるが、やはりメガラの存在は機密なのでね・・・。」
【少し間を置いて】
セイス 131_011 「まず、ディーパの三人には封印装置の部屋に向かう通路の巡回をお願いしたい。」
セイス 132_012 「我々の方で封印装置の部屋の守りを固める。」
セイス 133_013 「黒い天使が出現した場合、『生きて捕えよ』との事なので・・・。」
【クワトロを少し困ったように見つめ】
セイス 134_014 「クワトロ、くれぐれもやり過ぎないように。」
クワトロ 135_020 「わかってますよ。虫の息にすればいいんですね?」 ニコニコ穏やかに
セイス 136_015 「・・・はぁ。」 ため息
セイス 137_016 「まぁ、他のみんなも気をつけるように。それじゃ、早速各自警備にあたって欲しい。」
ブルーグ 138_045 「ラジャー」
イクス 139_018 「らじゃー」
ソクラ 140_006 「ラジャー」
クワトロ 141_021 「ラジャー」
ウーノ 142_014 「ラジャー」
ドゥース 143_009 「らじゃ~」
【エレベータ前】
ウーノ 144_015 「封印装置のある階までは専用エレベーターで行く。」
ドゥース 145_010 「指紋認証がないと入れないとか、マジでメンドクセー・・・。」
クワトロ 146_022 「無理やり入ろうとしたらアラームがなりますよ。まぁ、それはそれで見てみたいですけど。」 クスッと微笑む
ドゥース 147_011 「や、やめとく!」
【慌てて指紋照合をするドゥース】
システム 148_001 「『サルス軍本部所属ドゥース・エステラ・デル・オルモ・サルスと認定。通行を許可します。』」
ブルーグ 149_046 「・・・名前、長いな・・・。」
ドゥース 150_012 「だからメンドくせぇんだよ・・・。」 トホホと
クワトロ 151_023 「ディーパの皆さんの指紋データは、昨日のうちに送ってもらってるので。どうぞ、安心して指紋認証を受けてください。」
【システムボイスがかぶさるような演出】
システム 152_002 「『サルス軍本部所属ウーノ・カルハバル』」
システム 153_003 「『サルス軍本部所属クワトロ・コスティナ』」
システム 154_004 「『ディーパ軍本部所属イクス・アロンソ』」
システム 155_005 「『ディーパ軍本部所属ソクラ・SCR-3000』」
システム 156_006 「ディーパ軍本部所属ブルーグ・ナハトイェガーと認定。通行を許可します。」
【降りていくエレベータ】
イクス 157_019 「ひゅ~♪城の中にこんなところがあるなんてビックリだぜ!」
クワトロ 158_024 「近代的でしょう?ここは軍内部でも知ってるものは少ない秘密の施設です。」
クワトロ 159_025 「実の所、我々も最近知ったばかりで・・・ね?」
【エレベータ音】
クワトロ 160_026 「・・・それでは、皆さんは通路の警備を。我々は先に【メガラ】の元へ向かいます。」
イクス 161_020 「おう!任せとけ!」
【先へ向かうサルスメンバー】
ソクラ 162_007 「あれがメガラの封印装置の部屋か・・・。」
イクス 163_021 「あそこに不審者を入れないようにすりゃいいんだな。」
ブルーグ 164_047 「あぁ、二人とも気を引き締め・・・て・・・」 急激な頭痛
イクス 165_022 「ん?」
ブルーグ 166_048 「くそ・・・っ!なんで、こんな・・・時に・・・!」 頭を抑える
ソクラ 167_008 「ブルーグ、どうした。」
イクス 168_023 「また・・・頭痛か?」
ブルーグ 169_049 「ぐ・・・っ!あ・・・」
イクス 170_024 「お、おい・・・!今までより酷そうじゃねぇか・・・。」
ブルーグ 171_050 「だ、大丈夫・・・すぐ・・・おさま・・・」 苦痛に顔を歪めながら
??? 172_001 「さぁ、解き放ちなさい」
ブルーグ 173_051 解き放つ・・・?一体何を・・・
??? 174_002 「私を・・・そして、お前自身を・・・ね。」
ブルーグ 175_052 何を言ってるのかわからない・・・
??? 176_003 「貴方はまるでわかってないのね。自分の本来の存在理由を・・・。」
ブルーグ 177_053 俺の・・・存在・・・理由・・・?
??? 178_004 「さぁ、行きなさい・・・。本能のままに。」
ブルーグ 179_054 「ぐ・・・!あぁ!!」 悶える
イクス 180_025 「おい!ブルーグ・・・!!」 駆け寄ろうとして
ソクラ 181_009 「・・・様子がおかしい、イクス離れろ。」
イクス 182_026 「え?・・・?!」 ハッとして
【心音】
イクス 183_027 「お、おい!ブルー・・・」
ブルーグ 184_055 「どけ・・・。」 心のこもってない冷たい声
【ものすごい力で吹き飛ばされるイクス】
イクス 185_028 「っぐ?!・・・な、なんつー力だ・・・。」
【ブルーグの前に立ちはだかるソクラ】
ソクラ 186_010 「・・・ブルーグ、ではないな。何者だ、貴様。」
ブルーグ 187_056 「・・・邪魔をするな。」 手をかざす
ソクラ 188_011 「?!」
【鋼鉄の床を突き破り、凄い勢いで木の蔓がソクラの体を吊るし上げる。】
イクス 189_029 「一体・・・どうなっちまってるんだ・・・?」 痛みをこらえながらも立ち上がって
ブルーグ 190_057 「貴様も邪魔だ。」 イクスの方へ振り向き、手をかざす
イクス 191_030 「え?・・・なっ?!」
【ソクラ同様につるし上げられるイクス】
イクス 192_031 「なっ・・・クソッ!動けねぇ・・・」 もがく
【まっすぐメガラの部屋に向かうブルーグ】
イクス 193_032 「待て!ブルーグ!!」
ソクラ 194_012 「駄目だ、聞こえていないようだ・・・。」
イクス 195_033 「くそっ!!うごけぇぇぇぇえええ!!」 もがく
ソクラ 196_013 「私の力でも引きちぎれない・・・。普通の木ではないらしい・・・。」
イクス 197_034 「どうなっちまってんだ・・・!!ブルーグ!!おい!!」
【淡々と足音】
イクス 198_035 「このままじゃメガラの部屋に・・・!!」
【もがき続けるイクスをバックにフラフラ進むブルーグ】
??? 199_005 「さぁ、もう少し・・・。」
ブルーグ 200_058 「・・・もう少しで我らが母を解放できる・・・。」 ニヤリと
【開閉音】
クワトロ 201_027 「っ?!(警戒して)・・・なんだ、ブルーグさんか。」
ドゥース 202_013 「脅かすんじゃねぇよ!持ち場に戻れ。ったく、本部のやつは命令も守れねぇのか?」
【間】
【異変に気づくウーノ】
ウーノ 203_016 「・・・待て。」
クワトロ 204_028 「ウーノ?」
ウーノ 205_017 「奴の目を見ろ。」
ドゥース 206_014 「目?」
【間】
ドゥース 207_015 「ひ・・・っ!白目がない!!」 慄く
ウーノ 208_018 「血だまりみたいな色になっている・・・。この世のものとは思えない・・・。」 警戒して
クワトロ 209_029 「ブルーグさん・・・あなたは・・・!」 武器を構えようとする
ブルーグ 210_059 「ふっ・・・」 鼻で笑う
【三人の前に氷の刃が幾つも現れる】
ドゥース 211_016 「でっけぇ氷柱が浮いてる・・・。」
ウーノ 212_019 「来るぞ!」
クワトロ 213_030 「っ?!」
【飛んでくる氷柱を避け、戦針を投げ飛ばすクワトロ】
ブルーグ 214_060 「愚鈍な奴め・・・。」
【炎の盾を目の前に作り、クワトロの放った針を熱で溶かす。】
ドゥース 215_017 「・・・奇妙な技使いやがって・・・テメェ、【黒い天使】の奴だったのか。」
ブルーグ 216_061 「【黒い天使】・・・?」
ウーノ 217_020 「・・・なんだ、この違和感。」
クワトロ 218_031 「操られているだけ・・・なのでしょうか。」
【再び戦針を構える】
クワトロ 219_032 「一応命令です。なるべく傷つけないように・・・」
【氷の刃がクワトロに向かう】
クワトロ 220_033 「っく?!」 避ける
クワトロ 221_034 「これは厄介ですね・・・。」
ドゥース 222_018 「傷つけねぇようにって方が無理じゃねぇのか?とにかく、やってやるぜ!」
ウーノ 223_021 「援護する、ドゥース。」
【左腕に組み込んだ大型マシンを構えるウーノ】
ドゥース 224_019 「任せなっ!」
【短剣を翻し、ブルーグに突っ込んでいく】
ドゥース 225_020 「ったぁぁぁあああああ!!」
【ウーノ、マシンから銃口が現れ、連射】
【クワトロ、ピアノ線を投げつける】
クワトロ 226_035 「ふっ!・・・っ!!なんとか動きを封じて・・・今です、ドゥース!」
ドゥース 227_021 「もらったぁぁぁあああ!!」
【正面から剣を振りおろそうとするドゥース】
ブルーグ 228_062 「目障りだ・・・。」
ドゥース 229_022 「な・・・・っ?!」
【不協和音】
【頭を抑える一同】
ドゥース 230_023 「なんだ・・・?!力が・・・入らねぇ・・・!!」
【膝をついて倒れる】
ブルーグ 231_063 「古えの力の前にひれ伏すがいい・・・。」
クワトロ 232_036 「これ・・は・・・?!」
ウーノ 233_022 「体が・・・重い・・・」
ドゥース 234_024 「う・・・動けねぇぞ!!」
【床に這い蹲るように倒れる3人】
ウーノ 235_023 「・・・っ!?封印装置!!」
クワトロ 236_037 「まずい・・・このままじゃ・・・!ダメです!ブルーグさん!!」
【封印装置に手をかけるブルーグ】
ブルーグ 237_064 「もう少しだ・・・」 ニヤリと
【金属が無理やりはがされるような音】
??? 238_006 「もう少し・・・」
クワトロ 239_038 「ブルーグさん!!」
ブルーグ 240_065 「偉大なる地上の覇者【メガラ】よ!」
【扉の破壊音】
【間】
ウーノ 241_024 「あれが・・・メガラ・・・?」
ドゥース 242_025 「ど、どうなってんだよ!!ミイラじゃなかったのか?!」
クワトロ 243_039 「わかりません・・・っ?!(ハッとして)」
【メガラが瞳を開ける】
クワトロ 244_040 「目が・・・開いた・・・!」
【ズルリと這うような音】
??? 245_007 「やっと、解放された・・・フフフ・・・ハハハハハ!!!」
【地中に潜っていくメガラ】
ブルーグ 246_066 「ハハハハハハハハ・・・・!!ハ・・・」
【ぷつりと糸の切れた人形のように倒れるブルーグ】
ドゥース 247_026 「・・・っ!体が軽くなったぞ!」
クワトロ 248_041 「ブルーグさん!!」 起き上がり、ブルーグに駆け寄る
ウーノ 249_025 「逃げられてしまった・・・か」
クワトロ 250_042 「ブルーグさん!・・・ブルーグさん!!・・・意識を失ってるだけのようですね・・・。」 少しホッとして
ドゥース 251_027 「まさかこんな手で来るなんて・・・!」
ウーノ 252_026 「とにかく司令室に戻るぞ。」
【間】
【場面変更・ゲストルーム】
ブルーグ 253_067 「・・・ん・・・ここ・・・は・・・?」 目を覚ます
イクス 254_036 「お!やっと気がついたか。」
ブルーグ 255_068 「イクス・・・それに、クワトロも・・・。」
クワトロ 256_043 「覚えてますか?何があったか」
ブルーグ 257_069 「・・・頭が痛くなって・・・それから・・・すまん、覚えてない・・・。」 混濁として
イクス 258_037 「そっか・・・。」
ブルーグ 259_070 「・・・!任務は?!メガラはどうなった!」 ハッと気がついて
クワトロ 260_044 「・・・すみません、守れませんでした。いえ、正確には・・・。」
イクス 261_038 「メガラが再生して生き返ってたんだとよ。」 かぶせるように
ブルーグ 262_071 「生き返って・・・?!だって、ミイラだったはずじゃ・・・」 信じられない様子で
クワトロ 263_045 「我々も驚きました。でも、この目で見たんです。あの赤黒い瞳で見つめられて・・・恐怖を覚えました・・・。不甲斐ないですよね・・・本当に・・・。」
【間】
ブルーグ 264_072 「・・・なぁ、俺は・・・」 拳を握り締め
イクス 265_039 「ん?」
ブルーグ 266_073 「俺は・・・何を・・・した?」 震えるのを堪えて
クワトロ 267_046 「何って・・・」 なんて言おうか戸惑う
ブルーグ 268_074 「答えてくれ・・・。俺、本当に気を失ってただけなのか?!俺は何をした?!答えろ!」 錯乱したように
クワトロ 269_047 「ブルーグさん・・・それは・・・」 苦悶
ブルーグ 270_075 「俺が・・・解放したんじゃないのか?メガラを。」 ワナワナと
【間】
ブルーグ 271_076 「そう・・・なんだな・・・?記憶がないとはいえ・・・俺は・・・なんてことを・・・。」 絶望と怒り
イクス 272_040 「お前は・・・(苦悶から無理やり明るく)操られていただけだ。始末書の書き方は俺が教えてやる!気にすんな!」
クワトロ 273_048 「イクス・・・。(イクスに乗るように)そうです。ブルーグさんが気にすることじゃありません。」
【間】
ブルーグ 274_077 「・・・すまないが、一人にしてくれないか。」 暗いまま
【間】
イクス 275_041 「(ため息をついて)あんまり自分責めんじゃねぇぞ?・・・行くぞ、クワトロ。」
クワトロ 276_049 「・・・はい。」
【間】
【場面変更・通路】
ドゥース 277_028 「操られてるだけで【魔法】が使えるかよ。」
ソクラ 278_014 「・・・さぁな。」
ドゥース 279_029 「だってよ・・・魔法を使う為に必要なものって原子とか分子とか、そういう話なんだろ?」
ウーノ 280_027 「あぁ。」
ドゥース 281_030 「それって普通の人間が出せるものじゃないんだろ?」
ソクラ 282_015 「何が言いたい。」
ドゥース 283_031 「ブルーグって奴、ホントは・・・」
ソクラ 284_016 「憶測で下手な事を言うな。」
【歯がゆい感じで言葉を噛み締めるドゥース】
ドゥース 285_032 「・・・なんだアンタ。アンタは利己的に物を考えそうだと思ったんだけどな。・・・っけ、つまんねぇ。アタシは寝るよ!寝る!オヤスミ!」
【ドカドカとその場をあとにするドゥース】
【間】
ウーノ 286_028 「気にするな。」
ソクラ 287_017 「気にはしていない。」
ウーノ 288_029 「そうか。」
【間】
【場面変更・司令室】
【電話をしているセイス相手はジェイク(?)】
セイス 289_017 「・・・申し訳ありません。この失態、いかなる責任もとる覚悟は出来て・・・え?・・・あ、いえ・・・。彼にはなんの責任も・・・。」
セイス 290_018 「操られていただけで・・・えぇ・・・。あ・・・そんなご寛大な・・・!はい・・・名誉を挽回するためにこれからも勤めさせていただきます。・・・それでは、失礼します。」
【受話器を置く】
セイス 291_019 「(ため息)」
【間】
【場面変更・ゲストルーム】
ブルーグ 292_078 操られていただけ・・・?本当に、それだけなのか?
ブルーグ 293_079 あの声は・・・俺を操るためにずっと聞こえてたのか?
ブルーグ 294_080 メアリーに銃を向けたのも操られていただけ・・・?俺の目が赤黒くなったのは操られていただけ・・・?
ブルーグ 295_081 ・・・それじゃ、【黒い天使】が、俺が銀の髪と赤い瞳を持っている理由を知ってる事と、噛み合わない・・・。
ブルーグ 296_082 俺を昔から知っている様な事も言っていた・・・。本当に・・・操られていた・・・だけ・・・?
【自分の掌を見つめる】
ブルーグ 297_083 あの声は、メアリーを殺せと言っていた・・・。また・・・操られて、意識を失ってしまったら・・・俺は・・・今度こそ・・・。 悔やむように
【間】
【場面変更・ドック内】
イクス 298_042 「え?一人で行きたいところがある?」
ブルーグ 299_084 「あぁ、まだ休暇は残っているはずだ。」 いつもの感じで
ソクラ 300_018 「・・・後1日だがな。」
ブルーグ 301_085 「まぁ、いいじゃないか。明日にはちゃんと本部に戻る。」
メアリー 302_009 「じゃあメアリーも!」
ブルーグ 303_086 「だ・め・だ!そろそろリーアも心配している。二人と一緒に先に帰っておくんだ。」
メアリー 304_010 「えぇ~。」 つまらなさそうに
ソクラ 305_019 「いつもメアリーには甘いくせに、意外なことを言うな。」
ブルーグ 306_087 「当然のことだろ?イクス、ソクラ、メアリーを頼んだぞ。」
ソクラ 307_020 「ラジャー」
イクス 308_043 「お前がそう言うなら・・・わかった。それじゃ、メアリー。イクス兄ちゃんと一緒に帰るぞ!」
メアリー 309_011 「・・・うん。」 しょんぼりと
【ヘリに乗り込もうとする3人を見つめるブルーグ】
【飛び立ちはじめるヘリ】
【プロペラ音】
メアリー 310_012 「帰って・・・来るよね?!」
ブルーグ 311_088 「あぁ!!・・・ちゃんと、帰るから!!」
メアリー 312_013 「・・・約束、だから!!」
ブルーグ 313_089 「あぁ!!」
【飛び去っていくヘリ】
【間】
ブルーグ 314_090 「ごめんな・・・メアリー。」 寂しそうに
【間】
ブルーグ 315_091 「次回予告」
ブルーグ 316_092 「本部に帰る三人を見送り、俺は一人ある場所へ向かった。自分の知らない自分のいた場所、あの孤児院へ・・・。既に廃院になっていた孤児院で俺を待ち受ける人の影。ブルーグ 「次回ParasiteNOVA第十一話『本当の名前』」


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