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第七話

役名 番号 台詞 注釈
ブルーグ 001_001 「ジェイク・・・!!」 抑えきれない怒りを露わに
【SE殴る】
ジェイク 002_001 「?!」 殴られる
イクス 003_001 「おい!ブルーグ!!落ち着けって!!」
【ブルーグを押さえ込むイクス】
ブルーグ 004_002 「離せっ!お前はコイツを殴りたくないのか!!」
イクス 005_002 「バカ野郎!殴りてぇのは山々だが、俺たちを呼んだって事は、なんかしら言い分があるんだろ?そうだろ?総帥!」
ジェイク 006_002 「・・・すまん。」
ブルーグ 007_003 「謝って済まされると思ってるのか?!俺達WPCはこんな事をするために選出されたのか?!ソクラを犠牲にして・・・謝られても、アイツは帰ってこないんだぞ!!」
アネッタ 008_001 「待ちなさい!・・・私から、説明するわ。よろしいですね?総帥。」
ジェイク 009_003 「あぁ。」
アネッタ 010_002 「あれは・・・WPCを発足する少し前。特殊戦闘部隊のメンバーを探している時だったわ。総帥のお父上、ディーパ大統領の命を狙って、一人の暗殺者が現れたの。裏の業界で【冷徹の薔薇】と呼ばれていた女。それが、ソクラよ。」
ブルーグ 011_004 「ソクラが・・・暗殺者?!」
アネッタ 012_003 雪が降り詰まる静かな夜。彼女は大統領の寝室に現れた。しかし、その日大統領官邸には総帥がいたの。暗殺は失敗し、ソクラは殺人未遂の現行犯で逮捕され、その後の取り調べで余罪が次から次に発覚。捕まったソクラは・・・何故かホッとした表情を浮かべていた。そんな彼女が気に掛かり、総帥は度々彼女の元を訪れた。 ナレ
【回想】
ジェイク 013_004 「・・・このままではお前の死刑は確定だ。それなのに、どうしてそんな清々しい顔をしている?」
ソクラ 014_001 「どうして・・・ね。物心ついてから人を殺す為の教育をされてた人間の気持ちが貴方にはわかるかしら?自ら望んでこの手を血に染めて来たわけでもなく。感情を殺して生きて・・・。私はね、ようやく『人間』に戻れたの。たとえ死ぬことが解っていても・・・最期に人に戻れた。こんなに・・・喜ばしいことは・・・ない・・・。」
【頬に伝う涙】
ジェイク 015_005 「どうして泣くのだ?人に戻れて、嬉しいんじゃないのか?」
ソクラ 016_002 「もう・・・こんな人生、嫌なの。願わくば・・・来世は人の為に・・・平和のために・・・私は生きたい!」
ジェイク 017_006 「平和のために・・・か。」
ソクラ 018_003 「・・・おかしい?」
ジェイク 019_007 「いや。私で良ければ、祈ってやろう。来世で、お前が平和の為に生きられる事を。」
ソクラ 020_004 「・・・ありがとう。」
アネッタ 021_004 それから1ヶ月後、ソクラの死刑が執行された。電気椅子で行われた処刑で彼女の脳や心臓、内臓は完全に死んだ。その外見は生前のまま・・・。総帥は、ソクラの夢を叶えたかった。叶えようとした。ドクター川崎の元に、ソクラの遺体を運んだ総帥は、常識では考えられない命令を下したの。 ナレ
川崎 022_001 「サイボーグ・・・?!」 信じられないといった様子で
ジェイク 023_008 「出来るだろう?貴方なら。」
川崎 024_002 「いや、しかし!!人間の体を改造し、まるで生きているかの様にすることなんて・・・許されない行為ですよ?!私にまた罪を犯させるつもりですか?!」
ジェイク 025_009 「私が全責任を取る。だから、頼む。私は・・・彼女に平和の為に生きるチャンスを与えたい。」
川崎 026_003 「・・・そこまでおっしゃるなら。しかし、サイボーグといえども・・・ほぼ機械と変わらない仕様にしなければ皮膚細胞等は次第に腐乱してしまう。それで満足ですかな?」
ジェイク 027_010 「少しでもいい。彼女に人間らしさを与えられるなら。」
川崎 028_004 「サイボーグに人間らしさを・・・難しいことを言いますね。AI、自動思考システムを搭載し、少しくらいなら人間の感情に近いものを作り出すことは可能ですが・・・。」
ジェイク 029_011 「構わない。私はソクラを今度設立する部隊のメンバーに加えたい。」
川崎 030_005 「・・・分かりました。では、早速取り掛かりましょう。」
アネッタ 031_005 総帥も自分がしようとしていることが、己のエゴだとわかっていた。でも、自分がこれからしようとすることは、世界の平和のためだと、確信していたのも事実。お互いの夢はそこでつながったの。そして、WPC特殊戦闘部隊が全員集まった。 ナレ
ジェイク 032_012 「よく来たな、ブルーグ。逃げ出したかと思ったぜ。」
ブルーグ 033_005 「あれだけバカにされて引き下がれるかよ。お前の下につくのは癪だが・・・。まぁ、これからよろしく頼む。」
ジェイク 034_013 「相変わらず生意気な奴だ。イクス、お前もサウス人だと言うのにわざわざすまん。」
イクス 035_003 「いいってこった!世のため人のためとあらば所属なんて小さなことは気にしない!」
ジェイク 036_014 「その通りだな。」
【ドア開閉】
イクス 037_004 「おっ!女の子もいるのか!こりゃ今から楽しみだぜ!」
ジェイク 038_015 「ソクラ・・・。紹介しよう。彼女はソクラ。私の夢に賛同してくれて、今回WPCに所属することになった。特殊な戦闘はお前たちの中で一番手馴れている。」
ソクラ 039_005 「・・・よろしく。」
ブルーグ 040_006 「ブルーグだ。」
イクス 041_005 「俺はイクス!これからよろしくぅ!」
ジェイク 042_016 「この3人がディーパWPCの戦闘部隊になる。互いに協力し合い、平和の為に戦っていってくれ。」
3人 043_001 「ラジャー!」
アネッタ 044_006 「こうしてソクラはWPCのメンバーになったの。」
【間】
【困惑するブルーグ、イクス】
ブルーグ 045_007 「ソクラがサイボーグなのはわかった・・・。でも、あそこでソクラが粉砕してしまったことには変わりない。結局お前は・・・」
アネッタ 046_007 「ソクラの脳にあたる記憶プログラムは既にバックアップがあるわ。貴方達は気づかなかっただろうけど、WPCが結成してから3年間。ソクラの体は6回程変わってるの。」
イクス 047_006 「予備があるってことか?」
アネッタ 048_008 「その通りよ。」
ブルーグ 049_008 「体がいくつもあって、その度新しいソクラになるのはわかった。でも、これが本当にソクラの願っていたことなのか?ジェイク、お前がやってるのは死者への冒涜だ。」
ジェイク 050_017 「わかってる・・・。最初の・・・サイボーグのソクラが壊れた時、私の中で彼女は死んだ。本当の意味でな。今のソクラは人造人間ではなく、完全なアンドロイド。ソクラという名前の人型戦闘機械。そう見るより他になかった。」
ブルーグ 051_009 「・・・狂ってる。」 怒りと呆れの余り変な笑みを浮かべる感じで
【ふらふらと出ていくブルーグ】
イクス 052_007 「あ・・・おい!・・・行っちまったか。」
アネッタ 053_009 「今はそっとしてあげたほうがいいわね・・・。」
イクス 054_008 「ん~・・・。・・・で、よぅ。予備があるってことは、また俺たちの前にソクラは何食わぬ顔で現れるんだろ?俺たちゃ今度からアイツにどんな風に接したらいいんだ?機械人形として見ればいいのか?前と変わらずにいろってか?あー・・・もうわっかんねぇよ!」
ジェイク 055_018 「一緒に戦う仲間であることには変わらない。どうか、わかってくれ。」
イクス 056_009 「まぁ、そうだけどよ・・・。少し冷静になる時間は欲しいぜ。」
アネッタ 057_010 「残念だけど、そうも言ってられないわ。ブルーグはあぁして出て行ってしまったけど。貴方達にやってほしいことがあるの。」
イクス 058_010 「ん?なんだ?」
アネッタ 059_011 「組織の中にスパイがいるわ。それが誰なのか、探し出して欲しいの。」
イクス 060_011 「はぁっ?!隠し事の次はスパイ探しかよ!」
ジェイク 061_019 「声がでかい。」
イクス 062_012 「おっと・・・。」
アネッタ 063_012 「研究室から不正アクセスした人物の足取りの予想が出たわ。この時間帯、研究室に出入りしてたのはこの6人。」
【イクスの前に1枚の紙が差し出される。】
イクス 064_013 「川崎のおっさん、おっさんの助手が2人とブライアンとミランダとメアリーか。流石にメアリーはねぇな。」
アネッタ 065_013 「そうね・・・犯人はメアリーの研究データを盗んでる。彼女の研究はまだ途中段階、今後また犯人が動き出す可能性があるわ。研究所の監視を任せるわね。」
イクス 066_014 「ラジャー!」
【ノック】
ジェイク 067_020 「入りなさい。」
川崎 068_006 「入りますよ・・・っと、イクス、君もいたのですか。ブルーグが居ないのは逆に最近は珍しいですね。」
メアリー 069_001 「お兄ちゃんいないの・・・?」 ちょっとがっかり
ミランダ 070_001 「な~んだ、ついてきて損しちゃったわぁ・・・」 すっごいがっかり
アネッタ 071_014 「ここは遊び感覚で来るところではないのよ?」
ミランダ 072_002 「アネッタァ~・・・。もう、仕事だとおっかないんだから! 茶化すようにアネッタ
ジェイク 073_021 「・・・その様子だと・・・またメアリーについて何かが?」
川崎 074_007 「えぇ。見ていただきたいものがありましてね。さぁ、メアリー。さっきのを総帥に見せてあげなさい。」
メアリー 075_002 「え?・・・う、うん。」
【メアリー、深呼吸一回】
イクス 076_015 「ん?何が始まるんだ?」
ミランダ 077_003 「静かに!」
イクス 078_016 「うっ・・・」
【間】
メアリー 079_003 「ん・・・ふぅっ・・・」
【精神統一、BGM】
メアリー 080_004 「炎・・・赤い・・・炎・・・」
イクス 081_017 「この感覚・・・どこかで・・・。あ!・・・あの遺跡で感じた感覚と・・・同じだ・・・。」
メアリー 082_005 「はぁぁ・・・!」
【SE、炎】
アネッタ 083_015 「炎?!」
メアリー 084_006 「うぅぅっ!!」
川崎 085_008 「もういいですよ。」
メアリー 086_007 「・・・ふぅ。」 気を緩める
【炎が消える】
イクス 087_018 「あの時と色は違うけど・・・同じような光だ・・・。」
ジェイク 088_022 「今のは一体?」
川崎 089_009 「紛れもなく炎ですよ。何もないところから、イメージだけで作り出せるそうなのです。」
ミランダ 090_004 「魔法、よ。」
アネッタ 091_016 「魔法ですって・・・?」
ジェイク 092_023 「何を馬鹿な!魔法なんて御伽噺の中だけのものではないか!トリックでもない限り炎を作り出す等・・・!」
川崎 093_010 「いくら解析してもこれがどういった原理で出来るのかがわからないのです。判明しない以上は『魔法』と呼ばざるおえない。それから、見ていただきたいのはもう一つあるのです。」
ジェイク 094_024 「魔法の次は何だ?」
川崎 095_011 「ご覧ください。ある二つの細胞に色をつけてわかりやすくしました。」
ジェイク 096_025 「顕微鏡?・・・なんだこれは・・・。緑色の細胞に・・赤いの細胞が群がってる様に見え・・・?!緑色の細胞が光ったぞ!!どうなってるんだ?!赤い細胞が消えてしまった・・・」
川崎 097_012 「赤い細胞は『メガラ』。緑の細胞はメアリーから採取したものです。つまり、メアリーの体はメガラ細胞を破壊する能力がある。魔法ではなく、メアリーの体質だと思われます。」
イクス 098_019 「『メガラ』・・・?それって、あのテロリストが言ってた・・・。一体何のことなんだ?それが原因でディーパは狙われたんだろ?」
ジェイク 099_026 「・・・その事については明日のWPC司令官会議で話すつもりだ。お前たちに発言権はないが、同席することは許可してある。そこで全て明らかにしよう。博士、つまりメアリーは対パラサイト種族・・・という事なのか?」
川崎 100_013 「恐らく、その母親も。」
ジェイク 101_027 「・・・なるほど。メアリーの母親の足取りは未だつかめず・・・。アネッタ。」
アネッタ 102_017 「はっ」
ジェイク 103_028 「早急にメアリーの母親を探すように捜索隊に発破をかけろ。博士はメアリーの『魔法』と呼ばれる現象の分析、解明を。それから、メアリーの細胞から対パラサイトワクチンの精製に取り掛かってくれ。」
アネッタ 104_018 「ラジャー」
メアリー 105_008 「・・・疲れちゃった」 眠そうにあくびをして
【間】
川崎 106_014 「了解しました。しかし、今日はもう遅い。メアリーをこれ以上起こしておくのは可哀想ですぞ。」
ジェイク 107_029 「そうだな。分析の方は明日からでもいい。今日のところはこれで解散にしよう。イクス。」
イクス 108_020 「ん?」
ジェイク 109_030 「お前はブルーグをとっ捕まえて今の話を伝えてこい。それと、例の調査の方を二人で手分けするように。」
イクス 110_021 「あぁ、スパ・・・」
アネッタ 111_019 「(かぶせるように)それじゃ、解散よ!速やかに部屋から出ていって。」
ミランダ 112_005 「んもっ!強引ねぇ・・・」
川崎 113_015 「まぁまぁ。それじゃ、我々は帰るとしましょうか。」
メアリー 114_009 「ふぁ~い・・・」 眠そうに
ミランダ 115_006 「・・・」
【間】
【2F、テラス】
ブルーグ 116_010 ソクラの件だけじゃない・・・。『メガラ』とか、川崎先生の罪、偉業と呼ばれる何かも。俺は何も聞いてない。何も知らない。何も知らないのに戦ってる・・・。俺もまた機械人形と同じ・・・。感情があるかないかだけの違いじゃないか。
ブルーグ 117_011 「・・・うっ・・・!」 頭が急に痛む
ブルーグ 118_012 ・・・なんなんだ。最近、以前にも増して頭が痛い。いや、なんだろう・・・この感覚は・・・。まるで自分の体が自分の物じゃないような・・・。
【ブルーグ、息を荒くして時々呻く】
【イクス、フェードイン】
イクス 119_022 「ん~・・・っと・・・お!ブルーグ、探したぜぇ。こんなところにいたのかよ、実はな・・・」
ブルーグ 120_013 「イク・・・ス・・・」
【振り向いたブルーグを見て驚くイクス】
イクス 121_023 「なっ・・・!お前大丈夫か?!」
ブルーグ 122_014 「ん?・・・あぁ、大丈夫だ。」
イクス 123_024 「嘘言うなよ!顔、真っ青だぜ?それに・・・目の色、どうしちまったんだ?」
【肩に手をかけようとした瞬間、ブルーグが鬼のような形相になる】
【手を振り払う音】
イクス 124_025 「ちょ・・・?!」
ブルーグ 125_015 「触るなっ!!・・・俺の目の色がおかしいのは最初から知ってるだろ?髪も、目も・・・。みんなとは違う!俺だけ変なんだ!好きでこんな変な姿をしているわけじゃないんだ!お前だって心のどこかでずっと俺を蔑んでいたんだろう?わかってるんだ!俺は・・・俺は・・・」
イクス 126_026 「落ち着け。落ち着けって!俺がそんな器用なこと出来る人間じゃないのはお前がよくわかってるだろ?とりあえずよぉ・・・悪いことは言わねぇ。体の調子良くなさそうだし、川崎のおっさんに見てもらえ。いいな?お前が嫌がるなら俺が無理矢理にでも連れて行く。」
【間】
ブルーグ 127_016 「・・・すまない。疲れているのかもな、俺。」
イクス 128_027 「まぁ、無理もないぜ。テロリストやらソクラの事やらで頭の中ぐちゃぐちゃになってるもんな。」
ブルーグ 129_017 「あぁ・・・。お前の言うとおり、先生のところで見てもらうよ。」
イクス 130_028 「おう!」
【間】
イクス 131_029 「おっと、忘れてた。大事な話があったんだ。いいか?驚くなよ?」
ブルーグ 132_018 「なんだ?まぁ、もうこれ以上驚く事もないと思うが・・・。」
イクス 133_030 「実はなぁ・・・」
【間】
ブルーグ 134_019 「・・・色々起こりすぎだ。まぁ、でも・・・これ以上隠されるより、いくらかマシだ。」
イクス 135_031 「ほう、そう捉えるか。」
ブルーグ 136_020 「スパイの件はわかった。検査が終わったら合流しよう。それまではすまないが、イクス、頼んだぞ。」
イクス 137_032 「任せとけって!」
ブルーグ 138_021 「それじゃ、後でな。」
【ブルーグ、フェードアウト】
イクス 139_033 「・・・っふー。アイツ、あんな顔するんだな・・・。流石のイクスさんも驚いたぜぇ・・・。」
【ミランダ、フェードイン】
ミランダ 140_007 「おつかれー!」
イクス 141_034 「おう、ミランダ。相変わらず美人だねぇ。」
ミランダ 142_008 「アンタに言われても全然嬉しくないんですけど?」
イクス 143_035 「はいはい。ブルーグに言われたほうがいいですよね、そりゃ。」
ミランダ 144_009 「アハハ!絶対言うわけないわ、あの人。あなたが一番知ってるでしょ?」
イクス 145_036 「そうさねぇ。3年一緒にいるけど、あいつがそんなこと言うのは全く想像できねぇ。」
【見合わせ、笑う】
ミランダ 146_010 「ところでさ。どうやらスパイがいるらしいわね。うちの組織。」
イクス 147_037 「ぶっ!どうしてそのこと・・・?!」
ミランダ 148_011 「・・・図星、みたいね。」
イクス 149_038 「・・・おまっ、カマかけやがったな?!」
ミランダ 150_012 「わかりやすくて助かるわぁ。」
イクス 151_039 「・・・誰にも言うなよ?」
ミランダ 152_013 「わかってるってば。私も容疑者の一人?」
イクス 153_040 「黙秘する。」
ミランダ 154_014 「図星、ね。」
イクス 155_041 「・・・なんでわかっちまうんだよ。」
ミランダ 156_015 「わかるわよ。そこまで喋っておいて急に黙秘なんて、おかしいじゃない?」
イクス 157_042 「ちくせう・・・。」
ミランダ 158_016 「アリバイとか聞きたかったら聞いてもいいわよー?」
イクス 159_043 「それじゃ、物は試しに聞いてやるか。今日の午前中、何してたか・・・話せ。」
ミランダ 160_017 「今日は朝起きて、医務室で仕事をしてたわ。メアリーが起きてきて、研究所へ行ったのが・・・そうね、午前8時頃だったかしら。彼女を置いてきたから、実際研究所にいたのは3分もなかったわね。それから医務室に戻って、調理場の若手の子が指を切って処置してたわ。それが大体15分くらい・・・それで、軽食をとって・・・研究所にメアリーを迎えに行ったのが11時。その後二人でサンドイッチを食べたわ。」
イクス 161_044 「見事にアリバイ成立・・・。」
ミランダ 162_018 「そゆこと。」
イクス 163_045 「これから仲間を疑っていかなきゃいけないなんて・・・人生とは酷なもんだぜ・・・。」
ミランダ 164_019 「そうね・・・時として残酷よね。さて、そろそろ休むとするわ。それじゃあね。」
イクス 165_046 「夜更かしは美容の敵だもんな。」
ミランダ 166_020 「そゆこと!おやすみ!」
イクス 167_047 「おう、おやすみ!」
ミランダ 168_021 「じゃあねぇ~」 投げキスをする
イクス 169_048 「っかぁ、イイ女だぜ。」
【シーン変更、研究所】
【装置がいろいろ動いている音】
川崎 170_016 「最近色々立て込んでますからねぇ。大事になる前に検査するのはいいことですよ。それじゃ、そこの台に横になってください。」
ブルーグ 171_022 「はい。」
【装置音、しばらくしてパソコンのキーボード音】
川崎 172_017 「・・・ふむ。バイタルは正常・・・。脳にも異常はなし・・・。・・・動脈正常、各内臓、ともに正常。ストレスでしょうかねぇ。」
ブルーグ 173_023 「・・・偏頭痛とか、動機とかも?」
川崎 174_018 「珍しいことではないですよ?人間の体はストレスに敏感ですからね。こうやって異常が見られなくても、体調を崩すことはよくあります。」
ブルーグ 175_024 「そっか・・・・。」
川崎 176_019 「後でミランダの所へ行ってこちらの薬品を調合してもらいなさい。」
【メモ帳にサラサラと薬品名を書くと、博士はこれに捺印しブルーグに渡す。】
ブルーグ 177_025 「ありがとうございました。研究が忙しいというのに・・・。」
川崎 178_020 「・・・明日はまた君にストレスを与えてしまうことを発表してしまいます。今日はゆっくり休んでおいてください。」
ブルーグ 179_026 「・・・覚悟しておきます。では。」
【足音、ドア開閉音】
ブルーグ 180_027 『メガラ』について、川崎先生の罪について明日、いよいよ発表される。俺たちが戦う本当の理由が、そこでわかるのか。理由も考えず、ただ人類の敵であるパラサイトを倒すことだけに集中してきた3年・・・。何かが変わるんだろうか?・・・いや、何も変わらない。理由を知ったとしても、俺たちの選択肢は、ヤツらを倒すこと、それだけなのだから・・・。
【足音】
【ドア開閉音】
ブルーグ 181_028 「ミランダ、いるか?」
【見回すがいない】
ブルーグ 182_029 「少し待たせてもらうか・・・。ん?」
ブルーグ 183_030 パソコン、つけっぱなしじゃないか。ネット会議ツールか・・・。なんだってこんなもの。仕事中に外部との接触は禁止なはずなのに・・・。ったく、仕方ないやつだな・・・。あれ・・・?この名前はどこかで・・・
【会議参加者の名前を目で追う】
ブルーグ 184_031 リーン、先生・・・。先生って川崎先生?・・・いや、医務室と研究所の距離からしてそれはないか・・・。・・・・ジェーン・・・。ジェーン?
ブルーグ 185_032 「ジェーン?!」
【声のみ】
ジェーン 186_001 『私はジェーン。薄汚い人間どもからこの世界を奪還すべく立ち上がった【黒い天使】よ。』
【間】
ブルーグ 187_033 偶然だろうか・・・?あのテロリストの少女と同じ名前だ・・・。いや、まさか・・・な。
【ドア開閉音】
ミランダ 188_022 「あらぁ?ブルーグ、こんな時間にどうし・・・あっ」
ブルーグ 189_034 「ミランダ・・・!」
ミランダ 190_023 「・・・見たの・・・?」
ブルーグ 191_035 「ミランダ・・・お前・・・これは一体・・・」
ミランダ 192_024 「っ!!」
【部屋を飛び出すミランダ】
ブルーグ 193_036 「ミランダ!!」
【後を追うように駆け出す】
ブルーグ 194_037 まさか・・・まさか、お前が?お前が・・・
【次回予告】
ブルーグ 195_038 「ディーパの最大の危機は脱したものの、俺たちに休息はない。信じていた・・・仲間だと思っていたアイツがスパイだったなんて・・・。再び対決することになった【黒い天使】。なすすべなく思えた俺たちの前に現れたのは・・・そして明かされるパラサイトの秘密。次回ParasiteNOVA第八話『過ち』」


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