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第九話:台本

役名 番号 台詞 注釈
【扉の開閉音】
イクス 001_001 「よっ、遅いじゃねぇか。」 小声で
ブルーグ 002_001 「あぁ。」 イクスに気づいて
イクス 003_002 「話は聞いたぜ?ミランダだったんだな、スパイ。」
ブルーグ 004_002 「あぁ・・・。」 思いつめた様子で
イクス 005_003 「イイ女だったのになぁ・・・。まぁ、イイ女ほど裏があるって言うしな・・・。」 惜しそうに
ブルーグ 006_003 スクリーンに映し出された・・・ミイラ?
ブルーグ 007_004 「イクス、あれは何なんだ?」
イクス 008_004 「さぁな・・・化け物ってのは確かなことだが・・・」
ソクラ 009_001 「静かにしろ。会議中だ。」
イクス 010_005 「お~っと・・・」 いっけねぇ!といった感じで
【川崎博士が円卓の中心に移動】
川崎 011_001 「幹部の方はご存知でしょう。」
川崎 012_002 「これは私が30年前、遺跡調査で発見した世界最大級人型ミイラです。」
川崎 013_003 「このミイラは発見された時から、見たことのない装置の中に入られており、その装置の外装に記されていた内容から、このミイラの名は【メガラ】と命名。私はこの巨大ミイラについて研究を始めました。」
ブルーグ 014_005 メガラ・・・これが、メガラ・・・
川崎 015_004 「初めのうちは、このメガラの細胞は腐食した細胞を食し、再生するという点にばかり着目し、この細胞を他の生き物に移植する研究を繰り返しました。」
川崎 016_005 「被検体となったのはクローンのマウス、昆虫、様々な生命体。」
川崎 017_006 「しかし・・・幾度となく実験を繰り返すうち、これが人類の望みではなく・・・。人類を脅かす存在である事がわかりました。」 悔やむように
セイス 018_001 「・・・全てのパラサイトの母・・・」 呟くように
ヴァイオレット 019_001 「パラサイト・・・ノヴァ・・・悪魔の研究か。」
川崎 020_007 「そう、メガラ細胞はいつしか宿主の細胞を食べ尽くし宿主の精神すらも蝕み、寄生しコントロールするようになった。」
川崎 021_008 「この事に気がついた我々は、直ぐに研究を辞めることにしました。しかし・・・。」
【プロジェクターの写真が変わる】
【川崎、写真に写った一人の青年を指し示す】
川崎 022_009 「彼の名は『マイン・ジュリアス』。非常に優れた医学者で、当時私の助手をしていました。」
ブルーグ 023_006 マイン・ジュリアス・・・。どこかで見たような・・・いや、気のせいだ。
川崎 024_010 「彼は個人的に孤児院も経営しており、元々病気である孤児を引き取り、治療をしながら生活させていたようです。」
ヴァイオレット 025_002 「それと・・・このことと・・・何の関係が?」
セイス 026_002 「・・・続きを聞きましょう。」
川崎 027_011 「彼の元に一人の赤ん坊が預けられました。生まれつき、心臓に重病を抱え、すぐにでも何らかの処置をしなければ命が危ない状況でした。」
川崎 028_012 「パラサイト・ノヴァ研究中断の話は、丁度その頃に出てきました。」
川崎 029_013 「私は助手達に研究の危険性を説明しました。しかし、マインだけは納得してくれませんでした。」
川崎 030_014 「医者である彼は、メガラ細胞が与える表向きの作用にばかり執着し、後々の事を深く受け止めきれてなかったようです。」
川崎 031_015 「そして、彼は・・・研究所内にいた被検体達を一斉に脱走させたんです。我々が混乱するように。」
ヴァイオレット 032_003 「その逃げ出した一部が野生化、繁殖、凶暴化・・・。それが現在のパラサイトという訳だな。」
セイス 033_003 「一体何のために・・・。」
川崎 034_016 「彼の目的はすぐにわかりました。事態が落ち着いて、保管庫を確認すると、メガラ細胞の一部がなくなってたのです。」
ヴァイオレット 035_004 「・・・盗まれただと?我々はそんな話は聞いていない。どういう事なの?ジェイク!」 怒り気味に
ジェイク 036_001 「今話しただろう・・・。」
ヴァイオレット 037_005 「くっ・・・!」
セイス 038_004 「まぁ、落ち着いて。彼も我々同様・・・なのですから。彼ばかり責めては・・・。」
ヴァイオレット 039_006 「わかってる・・・!が・・・」
ジェイク 040_002 「即座に捜索。マインの経営する孤児院にも立ち入ったが・・・。既にもぬけの殻だった。マイン搜索よりも率先してやらなくてはいけないことが明白だったからな。」
ヴァイオレット 041_007 「パラサイトの繁殖の急速化か・・・。確かに、あっという間に世界規模に広がったわね・・・。」
セイス 042_005 「計画の出資国であったディーパ、サルス、ノートルゲートで機密裏に処理出来る部隊、『WPC』の発足。」
ブルーグ 043_007 ・・・尻拭い、か。大方そんな事だろうとは思ってたけど・・・。
ブルーグ 044_008 「気分が悪いな・・・。」
イクス 045_006 「ん?大丈夫か?また頭痛か?」
ブルーグ 046_009 「あ、いや・・・大丈夫だ。」
イクス 047_007 「そっか?あんま無理すんなよ?」
イクス 048_008 「そういや他のWPCも勢揃いなんだな。ほら、ノートルゲートの可憐なお嬢さんもおいでに・・・ハーイ、ハニー。」 遠くにいるローザに手を振る
ローザ 049_001 「げっ・・・。イーッ!」 あっかんべーをする
イクス 050_009 「つれないぜ、ハニー。」 トホホと云った様子で
【うなだれる川崎】
川崎 051_017 「私が遺跡研究なんてしなければ・・・」
ジェイク 052_003 「・・・川崎?」
川崎 053_018 「私がメガラさえ発見しなければ!持ち帰って研究なんてしなければ!早々に細胞を処分していれば・・・!」 泣き崩れそうに
ジェイク 054_004 「・・・博士。」 苦々しく
ジェイク 055_005 「若かった貴方を担ぎ上げたバスクード家にも責任はある。・・・自分ばかり責めるな。」
川崎 056_019 「・・・すみません。」 落ち着きを取り戻して
セイス 057_006 「メガラは、我々サルス軍部の特殊封印装置でしっかり封印しているし。これ以上の脅威は未然に防ぎますよ。それが我々の使命なのですから。」
ヴァイオレット 058_008 「アンタも体たらくな叔父のせいで、こんな面倒に巻き込まれて・・・。つくづく運の悪い男ね・・・。」
セイス 059_007 「まぁ、あなたの様に、心から国に忠誠を誓う気高い女傑とは、違いますからね。しかし、後には引けないのは同じことでしょう。」
ヴァイオレット 060_009 「そうね・・・。国の不祥事は国を守るものが責任をとる。しかし、今は責任問題の話をしているわけではないわ。」
ジェイク 061_006 「ヴァイオレットの言うとおりだ。まず、分かっていることを話そう。」
ジェイク 062_007 「2人を此処へ。」 入口付近にいる警備員に声をかけて
【開閉音】
【メアリーとリーアが入ってくる】
メアリー 063_001 「ママ・・・。」 不安そうにリーアを見上げ
リーア 064_001 「大丈夫よ。」 優しく
セイス 065_008 「・・・彼女たちは?」
ジェイク 066_008 「彼女たちは、我々人類より古くからこの世界に住む種族、【レイズ】の末裔。リーア女王とメアリー王女だ。」
【ざわめく会場】
ヴァイオレット 067_010 「レイズ・・・?とはなんだ?」
セイス 068_009 「人類より古く・・・って。」
ジェイク 069_009 「【メガラ】を女王とする【黒い天使】。いや、正確には【血の一族】と呼ばれる存在。彼女たち【レイズ】は、【血の一族】を過去に封印した対種族なのだ。」
川崎 070_020 「あの封印装置は【レイズ】の作り出した物・・・なのですね?」
リーア 071_002 「えぇ。メガラを倒しきれず、あぁやって封印するより他に方法がなくて・・・。」
ジェイク 072_010 「彼女たちは、我々人間には扱えない不思議な力を持ち、【血の一族】の細胞を相殺する能力を持った存在なのだ。」
ヴァイオレット 073_011 「不思議な力・・・?」
ジェイク 074_011 「リーア。」 目配せをして
リーア 075_003 「はい。」
【精神を集中させるリーア】
リーア 076_004 「『白き光を孕んだ風。』」
【密室の部屋に風が流れる】
セイス 077_010 「風・・・?密室なのに・・・どうして・・・?」
リーア 078_005 「『我、翼より軽きもの・・・。風の道しるべよ、我を導け・・・。』」
【ふわりとリーアが浮かび上がる】
ヴァイオレット 079_012 「な・・・?う、浮いてる・・・?!」
ジェイク 080_012 「リーア、もういい。」
リーア 081_006 「・・・はい。」
【ゆっくりと着地する】
セイス 082_011 「風を起こして浮いた・・・?これは一体・・・」
ジェイク 083_013 「風だけではないぞ。」 したり顔で微笑む
ジェイク 084_014 「炎、氷・・・自然の現象と思われているエネルギーを一瞬で具現化出来る。にわかには信じられないが・・・【魔法】と我々は呼んでいる。」
【しばらくの静寂】
ヴァイオレット 085_013 「アハハハハハハハハ・・・・!!魔法ですって?馬鹿げたことを・・・」 乾いた笑い
ヴァイオレット 086_014 「・・・・本当なの?」 引き攣って現状に目を丸くする
セイス 087_012 「あの・・・細胞を相殺するというのは?」
ジェイク 088_015 「博士、例のものを。メアリー、出来るな?」
メアリー 089_002 「う、うん。」 緊張気味に
【メアリーの前に虫の入ったカゴが置かれる】
川崎 090_021 「研究室で管理している昆虫型パラサイトです。」
川崎 091_022 「さあ、メアリー。」
メアリー 092_003 「(深呼吸して)・・・ん~・・・!!」
【パラサイトを光が包込む】
メアリー 093_004 「はぁっ!!」
【内部から爆発、粉砕するパラサイト】
セイス 094_013 「なっ・・・?!」
ヴァイオレット 095_015 「爆発した・・・。どういう仕掛けなの?」
ジェイク 096_016 「仕掛けではない。気づいたか?パラサイト・コアの内部から爆発したのが。」
セイス 097_014 「肉体に何かを仕掛ける事は出来ても、内側からコアに何かを仕掛けるのは・・・今まで出来なかったことです。」
ヴァイオレット 098_016 「直接メガラ細胞に働きかけられるってこと?」
ジェイク 099_017 「恐くな。」
セイス 100_015 「これは凄いことですね・・・。彼女たちがいれば、この世のパラサイト・・・【血の一族】全てを消すことが・・・!」 驚きながらも喜びを込めて
ジェイク 101_018 「あぁ、出来る。しかし、彼女たちの力ばかりに頼っていてはいけない。我々に出来ることは実行していく。そこで、第一の提案だ。博士、続きを頼む。」
川崎 102_023 「はい。彼女たち【レイズ】の魔法と呼ばれる力の分析、解明。これを我々の技術で再現できないかという試みです。」
セイス 103_016 「魔法を・・・我々人間が使えるようにする。ということですか?」
川崎 104_024 「いかにも。彼女たちの能力には劣りますが、彼女たちの発するエネルギー粒子と酷似させて、そういった現象を起こすことは出来るのではないかと。」
ヴァイオレット 105_017 「人間が魔法を使う時代が来る・・・か。アハハ!まるで夢を見ているみたいね。」
ジェイク 106_019 「夢ではないぞ。そして、もう一つ・・・。」
川崎 107_025 「彼女たちの細胞でワクチンを精製し、世界中に広めること。これが我々の課題になります。」
セイス 108_017 「一気に好転してますね・・・。どうして彼女たち【レイズ】はもっと早く我々に協力をしてくれなかったのですか?」
リーア 109_007 「それは・・・。」 ためらうように
ジェイク 110_020 「残されたのが2人。まして、小さな子を連れていては色々と大変だろう。」
ジェイク 111_021 「しかし、こうして我々に協力をしてくれることになった。これは紛れもない事実。今は素直に喜ぶべきではないか?」
セイス 112_018 「そうですね。では総帥、今後各国WPCに与えられる任務はなんでしょうか?」
ジェイク 113_022 「サルスは守りを固め、メガラが奴らの手に落ちぬように管理を強化。ノートルゲートはマイン・ジュリアスの捜索。」
ジェイク 114_023 「今更とは思うだろうが、【黒い天使】と奴が何らかの関連性がある可能性がある。」
ヴァイオレット 115_018 「了解。」
ジェイク 116_024 「我々は【黒い天使】のアジトを探し出すことに重点を置く。勿論、各国とも今までどおりの常務は怠らないように。」
セイス 117_019 「了解しました。では早速サルスへ帰還し、メガラの警備体制を強化いたします。」
【立ち上がり、ジェイクに敬礼する】
ジェイク 118_025 「あぁ、頼むぞ。」
イクス 119_010 「親父に会ったらよろしくな!」
セイス 120_020 「イクス・・・!(ため息)わかったよ。」 やれやれという感じで
セイス 121_021 「では、失礼します。」
【サルスチーム退室】
ヴァイオレット 122_019 「しかし、我々には難しい任務を押し付けてきたわね。」
ジェイク 123_026 「っふ・・・そんなことで弱音を吐く奴じゃないからな。信用している。」
ヴァイオレット 124_020 「・・・ずるいわね。ローザ、リリィ、帰還するわよ。」
イクス 125_011 「あ、帰っちゃうの~?今度デートしようね!まぁ外部交流がダメって言うなら、内部交流でもいいんですけど~・・・。」
ローザ 126_002 「うるさいですわ!おすわりっ!!」
イクス 127_012 「ワンッ!」
ブルーグ 128_010 「・・・調教済みか。」
【ノートルゲートチーム退室】
【ジェイクが歩み寄る】
ジェイク 129_027 「・・・ブルーグ。」
ブルーグ 130_011 「ん?」
ジェイク 131_028 「こんなふうな結果になったが・・・。納得はしてもらえた・・・か?」
ブルーグ 132_012 「・・・納得、か。正直スケールが大きすぎて納得するとかしない以前の問題だ。」 呆れながら
ブルーグ 133_013 「結局のところ俺達がなんとかするしかないなら、やるだけだ。」 決意を示す感じで
ジェイク 134_029 「・・・そっか。」
イクス 135_013 「へっへー・・・!久々に3人揃ったな。」
ソクラ 136_002 「うるさいのがいなくてせいせいしていたのにな。残念だ。」
ジェイク 137_030 「・・・あぁ、そのことなんだが。ブルーグ、お前に1週間の休暇を与える。」
ジェイク 138_031 「ここのところ働き詰めで疲れているだろう?たまにはエネルギー充電してこい。」
ブルーグ 139_014 「こんな大事な時期に・・・?あ・・・イクス、お前まさか!」
イクス 140_014 「だ、だって・・・一応心配だしよ・・・。」
ブルーグ 141_015 「余計なことを・・・。」
ジェイク 142_032 「イクスを責めるな。倒れたらWPC本部のリーダーは誰が務めるんだ?お前には期待しているんだ。だからこそ、息抜きもしてもらいたい。」
ブルーグ 143_016 「期待、か・・・。本当にそうなのか?」 根暗な感じで
ソクラ 144_003 「最近卑屈だな、ブルーグ。何があった。」
イクス 145_015 「しっ!おま、いくらサイボーグだって直球すぎるだろ!」 慌てて
ブルーグ 146_017 「確かに・・・な。最近ちょっと卑屈になりすぎてるかもしれない・・・。」
ブルーグ 147_018 「休暇、か。・・・わかった。少し、休ませてもらう。」
【メアリーが駆け寄ってくる】
メアリー 148_005 「やだ!お兄ちゃんどっか行っちゃうのやだ!」
ブルーグ 149_019 「メアリー・・・。」
リーア 150_008 「こら!メアリー!!ブルーグが困るでしょ?ごめんなさいね、ブルーグ。」
ブルーグ 151_020 「あ・・・いや。」
メアリー 152_006 「だって、約束したもん!居なくならないって!」
ブルーグ 153_021 「・・・なぁ、ジェイク。」
ジェイク 154_033 「ん?」
ブルーグ 155_022 「研究。・・・メアリーは絶対いないとダメなのか?」
ジェイク 156_034 「いや・・・リーアがいれば大体のサンプルは・・・。」
ブルーグ 157_023 「・・・それじゃ、1週間。俺がメアリーを預かってても大丈夫だよな?」
ジェイク 158_035 「はぁ?」
イクス 159_016 「はぁ?」
ジェイク 160_036 「人の趣味にどうこう言いたくはないが、年齢差をだな・・・。」
イクス 161_017 「幼女はやめとけってあれほど言ったろ。な?今ならまだ間に合う。」
ブルーグ 162_024 「・・・変な勘違いするなよ。」
リーア 163_009 「私はいいんですが・・・。せっかくの休みなのに、いいのですか?」
ブルーグ 164_025 「あぁ、少し実家に戻ろうかなって。・・・実家といっても、もう両親は他界していないんだが・・・。」
メアリー 165_007 「いくー!メアリーも行くー!!」 楽しそうに
ジェイク 166_037 「それじゃ、1週間。ブルーグの分までみっちり働いてもらうからな?イクス。」 意地悪そうに
イクス 167_018 「えぇっ!?俺だけ!?」
【間】
【電車の音】
【停車する】
メアリー 168_008 「着いたぁ?」
ブルーグ 169_026 「あぁ、行くぞ、メアリー。」
メアリー 170_009 「はぁーい。」
【長閑な田舎道を歩く二人】
ブルーグ 171_027 「あれが俺の家だ。」
メアリー 172_010 「わぁー!可愛いおうちー!」
ブルーグ 173_028 「・・・確かに小さいけど、可愛い・・・かな?」
メアリー 174_011 「早く行こう、お兄ちゃん!」
【駆けていくメアリー】
ブルーグ 175_029 「あ・・・っ。はしゃぎすぎて転ぶなよ~?」 クスクス笑ってあとを追っていく
【家の中へ入る】
メアリー 176_012 「はやくっ!はやくっ!」
ブルーグ 177_030 「待て待て、今開けるから。」
【鍵開け音・開閉音】
メアリー 178_013 「おじゃましまー・・・」
【風の音】
【巻き上がる誇りに咳き込む二人】
メアリー 179_014 「(咳)」
ブルーグ 180_031 「(咳)窓!窓開けろメアリー!」
メアリー 181_015 「うわわわわっ!」
【窓を開ける音】
メアリー 182_016 「(スーハー)びっくりしたぁ・・・。」
ブルーグ 183_032 「いや・・・2年ぶりなもんでな・・・。こりゃ掃除しないとダメだな・・・。」
【BGM変更】
【カラスの鳴き声】
【間】
【虫の声】
メアリー 184_017 「終わったぁあああ!」
ブルーグ 185_033 「あぁ、やっと綺麗になったな。」
【お腹の音】
メアリー 186_018 「・・・えへへ」 恥ずかしそうに
ブルーグ 187_034 「(クスッと笑って)飯にするか。」
メアリー 188_019 「わーい!」
ブルーグ 189_035 「材料は買ってきてあるから・・・」
メアリー 190_020 「え?お兄ちゃんが作るの?」
ブルーグ 191_036 「任せておけ!これでも軍に入る前は、レストランでバイトしてたんだ。料理の腕は・・・自信がある!」
メアリー 192_021 「わぁ!メアリーも手伝っていい?いい?」
ブルーグ 193_037 「んー・・・そうだな、手伝ってもらおうか。」
【BGM変更】
【間】
ブルーグ 194_038 「よし、出来た。」
メアリー 195_022 「すごーい!ママより上手ー!!」
ブルーグ 196_039 「・・・それ喜んでいいのか?それじゃ、食べようか。」
メアリー 197_023 「はーい」
ブルーグ 198_040 「いただきます。」
メアリー 199_024 「いただきまーす!」
【食事に入る二人】
メアリー 200_025 「後4日、何するの?」
ブルーグ 201_041 「そうだな・・・。明日はこの街をぶらぶらして・・・。明後日は・・・」
ブルーグ 202_042 「俺のもうひとつの家を探してみようかなって・・・。」
メアリー 203_026 「もうひとつの家?お兄ちゃんお家いっぱいあるの?」
ブルーグ 204_043 「メアリーは・・・生まれてずっとリーアと・・・・お母さんと一緒にいたんだろ?」
メアリー 205_027 「うん」
ブルーグ 206_044 「俺は・・・本当の親の顔を知らないんだ。捨て子・・・だったんだとさ。」
メアリー 207_028 「捨て・・・子?」
ブルーグ 208_045 「孤児院の前に捨てられてて・・・。5歳くらいかな、ここの両親に引き取られたのは。だから余り孤児院の思い出はない。結構、遠いらしくてさ・・・出てきてから一回も孤児院に行ったことがないんだ。元々ブルーグって名前でもなかったらしいけど・・・。」
メアリー 209_029 「え?じゃあなんて名前なの?」
ブルーグ 210_046 「さぁ・・・覚えてないな。両親もずっと『ブルーグ』って呼んでたから。亡くした息子の名前なんだってさ。お袋、流産してその時同時に子供産めない体になって。それで、俺を息子にしたんだって。」
メアリー 211_030 「・・・幸せだった?」
ブルーグ 212_047 「・・・そうだな。一応は幸せだった・・・。」
メアリー 213_031 「一応・・・?」
ブルーグ 214_048 「いや、なんでもない。さて、食べ終わったな。明日は早く出るからさっさと風呂に入って寝るぞ!」
メアリー 215_032 「あ、うん!」
【間】
【場面変更・ディーパ上層部】
イクス 216_019 「しっかし、どうやって奴らのアジトを探すって言うんだぁ?」
ソクラ 217_004 「さぁな。」
イクス 218_020 「お前、体の中にレーダーみたいなのついてないのかよ。」
ソクラ 219_005 「戦闘に特化している私の型にはそんなものはない。」
イクス 220_021 「何かアクションがあればなぁ・・・。」
ソクラ 221_006 「しばらくはないかもしれないな・・・。何人程向こうにいるかは不明だが、戦力であるジェーンはあの分では復帰に時間がかかるだろう。」
ソクラ 222_007 「それにミランダはまだ覚醒していないと言った。残されたメンバーで、今のところ分かっているのは『MJ』と名乗る男・・・。」
イクス 223_022 「MJ・・・なんで一人だけイニシャルなんだろうなぁ?【血の一族】もカッコつけたがりなわけ?」
ソクラ 224_008 「知るか。」
イクス 225_023 「MJ・・・ねぇ・・・。」
【間】
【場面変更・研究所】
リーア 226_010 「・・・博士。」
川崎 227_026 「ん?なんですか?」
リーア 228_011 「ブルーグは・・・信用に値する人間・・・ですか?」
川崎 229_027 「え?」
リーア 230_012 「いえ・・・すみません・・・。変な胸騒ぎがしたもので・・・」
川崎 231_028 「勤勉、真面目、仕事仲間との関係も良好・・・。至って好青年だと、私は思いますがね。」
リーア 232_013 「えぇ、それは・・・。わかります。」
川崎 233_029 「メアリーの事も大事にしてます。問題はないと思いますよ。」
リーア 234_014 「・・・・えぇ、わかっています。私の・・・気のせい・・・です、ね。」
【間】
【場面変更・ナハトイェガー家】
【虫の声】
メアリー 235_033 「(寝息)」
ブルーグ 236_049 「(うなされている)」
【ガバっと起き上がるブルーグ】
ブルーグ 237_050 「(息を荒くする)・・・くそっ!!」
【頭に響くような音がモヤモヤ】
??? 238_001 「何を怯えているの?可哀想な子・・・。」
ブルーグ 239_051 「・・・っさい」
??? 240_002 「明け渡しなさい。そうすれば、楽になれる・・・。」
ブルーグ 241_052 「うるさい・・・」
??? 242_003 「さぁ、私の声に従い・・・解き放ちなさい。」
ブルーグ 243_053 「うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!」
メアリー 244_034 「・・・お・・にいちゃん?」 目をこすりながら起きる
【はっと気づいて】
ブルーグ 245_054 「あぁ・・・なんでも、ない。少し、眠れないだけ・・・」
??? 246_004 「呪われし種・・・。今すぐ殺しなさい・・・。」
ブルーグ 247_055 殺す・・・?誰を・・・?
??? 248_005 「その娘を・・・お前の手で・・・コロセ」
ブルーグ 249_056 「・・・うあああああああああああああああああああああっ!!!!!」
メアリー 250_035 「お兄ちゃん!!」
【咄嗟に駆け寄ろうとするメアリー】
【銃を構え、銃口をメアリーに向けるブルーグ】
メアリー 251_036 「え・・・?」
ブルーグ 252_057 「ちか・・・よるな・・・!」
メアリー 253_037 「どうしたの・・・?お兄ちゃん・・・・。なんでメアリーにそんなの向けるの・・・?」
ブルーグ 254_058 「頼む・・・。何も・・・聞かないで・・・。そのまま・・・寝てくれ・・・。」
メアリー 255_038 「・・・出来ないよ・・・そんなの・・・」 涙ぐむ
ブルーグ 256_059 「ごめん・・・。ごめんな・・・。一人に、なりたいんだ・・・。」
【フラフラと部屋を出ようとするブルーグ】
メアリー 257_039 「お兄ちゃん!」 不安そうに
ブルーグ 258_060 「ちょっと、外に行ってくる・・・。必ず・・・帰るから、待っててくれ・・・。」
メアリー 259_040 「居なくならないって・・・約束したもん!」 泣きじゃくりながら
ブルーグ 260_061 「・・・大丈夫、少しだけだから・・・。約束、守るから・・・。」
メアリー 261_041 「・・・ホント・・・に?」 涙声
ブルーグ 262_062 「あぁ・・・少しだけ。待っててくれるよな?」 精一杯微笑んで
メアリー 263_042 「(涙を拭って)・・・うん!」
【部屋を出ていくブルーグ】
【虫の声・風の音】
ブルーグ 264_063 「ここなら・・・大丈夫か・・・。出てこい・・・何者なんだ・・・!」
??? 265_006 「私はこの世の始まりにして終わり・・・。私の声を聞けるのは選ばれし者のみ・・・。さぁ、おいで・・・私のもとへ・・・・。」
ブルーグ 266_064 「答えになってない!ちゃんと・・・答えろっ!」
【間】
ブルーグ 267_065 「なんだって言うんだよ・・・。俺が・・・選ばれし者?一体、何のことだよ・・・。」
【風の音】
ブルーグ 268_066 メアリーに怖い思いをさせてしまったな・・・。もう、リーアにメアリーを返したほうがいいかな・・・。もし・・・またあんな事があったら・・・・俺はメアリーに何かをしでかしてしまうんじゃ・・・。
【間】
【虫の声フェードで鳥のさえずり】
ジェイク 269_038 『・・・というわけだ。休暇中にすまないが、早急にサルスに向かってくれ。』
ブルーグ 270_067 「了解。」
【電話を切る音】
メアリー 271_043 「(あくび)・・・おはよう。・・・どうしたの?」 寝ぼけ眼
ブルーグ 272_068 「あぁ、メアリー。」 気づいて
ブルーグ 273_069 「折角ゆっくり出来ると思ったんだが【黒い天使】が動き出した。サルス支部と協力してメガラの警備につくことになった。」 申し訳なさそうに
メアリー 274_044 「帰っちゃうの・・・?」
ブルーグ 275_070 「いや、このままサルスに向かうように言われている。念の為、仕事道具を持ってきて正解だったな・・・。」
メアリー 276_045 「そっかぁ・・・。」 しょんぼりと
ブルーグ 277_071 「大丈夫・・・。この件が落ち着いたら、また遊ぼうな。」
メアリー 278_046 「うん!」
【間】
【場面変更】
【プロペラ音】
イクス 279_024 「ソクラの予想が外れる時もあるんだな」
ソクラ 280_009 「あくまでも予測の範囲内だ、外れる事があっても不自然ではない。」
イクス 281_025 「しかし・・・【黒い天使】の連中もよく探し当てたもんだな・・・。母恋しさって言うのかなんというのか・・・。」
ソクラ 282_010 「ミランダが覚醒したとか言っていたが・・・。それで物や人の居場所を予見出来るとは・・・。」
イクス 283_026 「にしちゃ、地味な能力だと思わんかい?」
ソクラ 284_011 「・・・予知、一種の魔法みたいなものだな。」
イクス 285_027 「魔法・・・まさか、な。」
【間】
ブルーグ 286_072 「次回予告」
イクス 287_028 「いやぁ、なんか久々の登場の気がするぜ!」
イクス 288_029 「さてさて、次回は【黒い天使】の犯行声明を受け、俺達はサルス軍と合流し、メガラとご対面するんだけど・・・」
イクス 289_030 「ん?なんだおい・・・ブルーグの様子がおかしいぞ!?次回・・・」
ブルーグ 290_073 「ParasiteNOVA第十話『決意』」
イクス 291_031 「うわー!美味しいとこだけ・・・」
ソクラ 292_012 「ざまぁ・・・」


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